小池公夫のホームページ
http://www.geocities.jp/chocoball1018/ 6月17日の深夜に日本テレビでドキュメンタリー「声の壁」が放送されたので録画していたのをやっと見ました。 岐阜県中津川市の前市議員だった小池氏を取り上げたドキュメンタリーです。 小池氏は市議員1期目の時下咽頭ガンのため、声帯を失って発声が出来なくなりました。 ですが、それに負けずに市議員に立候補し、そして当選を果たします。 そして、市議会で発言する際に自分では発声出来ないため、代読を認めて欲しいと議会に申請しました。 しかし、市議会はその申請を却下し、その後4年間小池議員は市議会で発言が出来なかったのです。 市議員最後の議会で議長の不信任案を提出する際に他の議員が不信任の理由を代読していましたが、それまでは ずっと自分のメッセージを発信することが出来なかったのです。 議会側が代読を認めなかった理由は主に2つあるようです。 ●2期目の市議員選挙のとき、9月(?)になれば声が出るようになります、と市民に宣言した以上 自己責任を負うべきである(公約は守るべき)。 ●パソコンによる代読が可能である。 1つ目の公約については、ではその意見を持つあなたは公約をキチンと守っているのか?と 逆に質問したいところです。 2つ目のパソコンによる代読については、放送内でも議会側がプレゼンテーションした際に 取材側から今質問した内容の回答をパソコンによる代読でやって欲しい、とリクエストしたら 時間なので…などと苦しい言い訳で逃げていました。 ということは、パソコンによる代読だと臨機応変な質問とその回答のやり取りが行えないということを 議会側も認めているということです。 また、心理問題として、自分が発言したい内容を機器による機械的な代読、というのは違和感が非常に大きいものです。 少なくとも私がパソコンによる代読でいいか、と聞かれたら認めません。 私が手話で表現した内容を手話通訳による生きた音声に変換してもらいたい、と言います。 人による代読を認めない理由として市議会は人の代読だと読み間違いがあるかもしれない、と言っています。 ですが、私は通訳をお願いした以上はその人が間違いなく通訳していただける、ということを信じたいという考えがあります。 当然、通訳をお願いする人とは事前に細かく打ち合わせは行うでしょうが。 放送内では鎌倉市の現役市議員の代読の方法や、長野県の聴覚障害を持つ女性が村議だったときの情報保障の 方法も紹介されていました。 いずれも議会側が適切な手段を認めており、問題なく運営も行えていたということです。 また、元国会議員の八代英太氏が議員になったときは、車椅子の彼の為に色々設備も整えたとも聞きます。 今回は声を出すことが出来ない市議が代読を申請してそれが認められませんでした。 しかし、声を出すことが出来ない(厳密に言えば声は出せるが、発音が不明瞭)聴覚障害者にとっても 今回の問題は無縁ではありません。 人は誰にでも発言する権利があり、それを障害があるからという理由で発言する権利を認めないのは立派な 差別となり得ます。 特に市議会は市民の代表が集まる場であり、そのような場で障害者を堂々と差別しているのは悪しき例です。 実際、弁護士会も議会の対応は問題である、という文書を議会に提出しましたが、議会側は第三者が何を言うか という風潮で無視しているようで、放送を見ていて怒りを通り越して悲しくなってきました。 中津川市議会はここまで大きく膨らんだ問題に対して、ただ嵐が過ぎ去るのを頭を下げて待つだけなのでしょうか。 また、他の市議会や県議会で同じような問題が今後発生しないことを祈ります。 Blogランキングに参加中です。いいと思ったらクリックをお願いします。
by maro1010
| 2007-06-24 21:31
| 聴覚障害
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