「聾に生きる」

山地彪(やまじたけし)氏の自伝ではなく、大杉豊氏が資料を調べ、また、山地氏本人にインタビューした結果をまとめた本であるため、論文調です。でも読みやすいため、それほど構えて読む必要はないと思います。
山地氏はアメリカ市民権を持ち、アメリカに住むろう者です。でも生まれたときからアメリカ在住ではなく、大阪生まれの大阪育ちの方であり、20代の時、結婚してアメリカに渡り、それ以後ずっとアメリカで生活されているそうです。
アメリカは人権が守られており、当然山地氏もアメリカに渡った当初からスムーズに暮らせたのだろう、と思いながら読み始めたところ、それは大きな間違いであることが記述されていた。山地氏も希望を抱いてアメリカに渡ったものの、ろう者であること、また、白人でないことで色々と差別を受けて来たと本人の回想とともに記されています。今はろう者に対する理解も深まり、大分変わって来たようではありますが…
また、山地氏がどのように差別を受け、そして戦い、今の地位を勝ち取ったのかについても詳細に記されていて大変興味深く読みました。
この本はこれからアメリカで過ごしてみたいと思っているろう者だけではなく、健聴者の方にも読んでみてもらいたいと思います。
私もちょっとアメリカ生活に憧れがありましたが、現実は厳しいと改めて気づかされた1冊でした。
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by maro1010 | 2005-06-07 00:28 | 聴覚障害


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